今年正月の「早稻田文學」に西宮藤朝なる人「泉鏡花論」を發表し、此作者の過去に於て同情あり理解ある批評家を有せざりし事を繰返し遺憾としたるが、扨て御當人は如何といふに之亦全く無理解にて、「辰巳巷談」の梗概を述べお君がいい人鼎を沖津に寢取られたりとなせるが如き言語道斷の誤あり、研究の不備か生來のぼんくらか、人をして惡批評家の横行を憎ましむるもの有之候ひき。
「幻の繪馬」讀後の感想認め兼候お斷りを述ぶるつもりにて床上筆を執りつゝ少々氣焔をあげ申候。發熱せざれば幸甚に御座候。
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